「なんとなくAVERAGE関数を使っているけど、正しい使い方をちゃんと理解できていない…」
そんな不安を感じたことはありませんか?
Excelで数値データを扱う際、「平均値」を求める機会は多くあります。
その平均値を正確かつ簡単に求めるための関数が、AVERAGE関数です。
AVERAGE関数とは
- 読み方:アベレージ
- できること:複数のセルを対象に、数値の合計を個数で割った平均値を自動で計算
- ショートカットキー:【Alt】 + 【M】 + 【U】+ 【A】
基本の書き方
=AVERAGE(数値1, 数値2, ...)
使い方例(単列の平均)
例えば、A列に入力された点数の平均を求めたいときは、以下のように記述します。
=AVERAGE(B2:B6)
名前 | 点数 |
---|---|
Aさん | 10 |
Bさん | 20 |
Cさん | 30 |
Dさん | 40 |
Eさん | 50 |
平均値 | =AVERAGE(B2:B6) |
➡ 平均値結果:30と表示されます。
応用例(複数列の平均)
複数の列を対象に平均値を求める場合は、以下のように記述します。
=AVERAGE(A2:A6, B2:B6)
A列 | B列 |
---|---|
10 | 5 |
20 | 15 |
30 | 25 |
40 | 35 |
50 | 45 |
平均値 | =AVERAGE(A2:A6, B2:B6) |
➡ 平均値結果:27.5と表示されます。
使い方のコツ
範囲指定
- 連続したセル:
A1:A5
のように「コロン(:)」で範囲を指定 - 非連続のセル:
A1, B3, C5
のように「カンマ(,)」で区切って指定
AVERAGE関数の落とし穴と対策
AVERAGE関数は便利ですが、以下のような“落とし穴”に注意が必要です。
様々なパターン・対策があるので奥が深いです。
No. | 落とし穴ポイント | 対策 |
---|---|---|
1 | B列全体(B:B)を指定すると、空白や余計な数値が混じる | =AVERAGE(B2:B50) のように必要な範囲を絞る |
2 | 0が含まれて平均が下がる | =AVERAGEIF(範囲,”<>0″)で0を除いた平均が出せる |
3 | エラー値がある1 | =IFERROR(AVERAGE(範囲), “–”) のように対策することで、AVERAGE関数がエラー値を含まず計算できるか事前に確認できるので安心 |
4 | エラー値がある2 | =AGGREGATE(1, 6, 範囲) でエラーを無視して平均できます |
5 | フィルタで非表示にしても平均に含まれてしまう | =AGGREGATE(1, 7, 範囲) を使うと、非表示行も除外可 |
以下「No.」順に、具体的な回避策例をご紹介します。
回避策1 必要な箇所のみ範囲指定を行う
必要な列・行全体だけを範囲指定しましょう。
「範囲指定が面倒」と、列・行全体を範囲指定しがちですが、以下の可能性もあります。
「=AVERAGE(B:B)」などの記載は避け、面倒でも範囲指定は正確に!
(例)
名前 | 点数 |
---|---|
Aさん | 5 |
Bさん | 15 |
Cさん | 20 |
Dさん | 35 |
Eさん | 45 |
平均値 | =AVERAGE(B2:B6) |
➡ 平均値結果:24と表示されます。(120÷5)
回避策2 AVERAGEIF関数を使う
平均を求める箇所に0がある場合は、0を除く条件を追加します。
名前 | 点数 |
---|---|
Aさん | 5 |
Bさん | 15 |
Cさん | 0 |
Dさん | 35 |
Eさん | 45 |
平均値 | =AVERAGEIF(B2:B6,"<>0") |
➡ 平均値結果:25と表示されます。(100÷4)
回避策3 IFERROR関数を使う
平均を求める列・行にエラー値がある事を表示させます。
事前にこの関数を使用してエラー値を発見・数値を訂正し、改めてAVERAGE関数を用いて平均を求めるパターンです。
名前 | 点数 |
---|---|
Aさん | 5 |
Bさん | 15 |
Cさん | #DIV/0! |
Dさん | 35 |
Eさん | 45 |
平均値 | =IFERROR(AVERAGE(B2:B6),”–”) |
➡ 平均値結果: #DIV/0!が含まれているため、-と表示されます。
回避策4 AGGREGATE関数を使う1(エラーあり)
AGGREGATE(アグリゲート)関数を使い、エラー値を無視して平均を求めます。
名前 | 点数 |
---|---|
Aさん | 5 |
Bさん | 15 |
Cさん | #DIV/0! |
Dさん | 35 |
Eさん | 45 |
平均値 | =AGGREGATE(1,6,B2:B6) |
➡ 平均値結果:25と表示されます。(100÷4)
上記関数式に含まれる数字の意味は、以下のとおりです。
=AGGREGATE(集計方法,オプション,(範囲))
(例)=AGGREGATE(1,6,B2:B6)の場合
- 集計方法:1(AVERAGE)
- オプション:6(エラー値を無視)
回避策5 AGGREGATE関数を使う2(エラー・非表示あり)
AGGREGATE(アグリゲート)関数を使い、エラー値、非表示を無視して平均を求めます。
名前 | 点数 |
---|---|
Aさん | 5 |
Bさん | 15 |
Cさん | #DIV/0! |
Dさん | 35 |
Eさん | 45 |
平均値 | =AGGREGATE(1,7,B2:B6) |
➡ 平均値結果:25と表示されますが、行を非表示にすると、その値は計算外となり、結果の数値が変わります。
(例)=AGGREGATE(1,7,B2:B6)の場合
- 集計方法:1(AVERAGE)
- オプション:7(非表示の行・エラー値を無視)
AVERAGEIF、IFERROR、AGGREGATE関数については、別記事で詳しく紹介予定です。
準備ができ次第、リンクを追加予定です。
まとめ
AVERAGE関数は、数値の平均を手早く計算できる便利な関数です。
正しく使えば、日々の業務効率を大きく向上させてくれます。
基本の使い方からちょっとしたコツはもちろん、様々な落とし穴対策まで、しっかり身につけておきましょう!
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